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平成29年6月議会 一般質問3日目(6月15日)

6月定例会の一般質問3日目。

いつもなら他の議員の方の質問についてご紹介するのですが、2日目の自分の質問について書きます。

というのは、いろいろと感想や問い合わせをいただいたからです。

その中からひとつ。

「副市長がB案で中心市街地が活性化する理由を一生懸命、説明されていた。副市長が言うとおり、他の市でも歩行、自転車で市役所に往復する人がいるはずなのに、どうして米澤が言ったとおり中心市街地活性化に至らなかったのか」

今回は質問時間がタイトだと思っていたので、副市長の説明には詳細には突っ込みませんでした。詳細に言わなくても「他市で、中心市街地に市役所があっても中心市街地は活性化していないよね。」で済むからです。他の市でも歩いて市役所に通勤する職員もいれば、自転車で市役所に用事に行く市民の方もいるに決まっています。でも活性化にはなってない。そこを一言で言えば「他の市では・・・」となる訳です。

ではどうして他市では副市長の言うように「中心市街地の市庁舎=中心市街地活性化」となっていないんでしょうか?

副市長のご説明のポイントは、

「B案で萬象敷地に市庁舎が来れば、市職員と来庁者の徒歩や自転車の往来により、平日の消費需要を増やすことができる」

です。

他市でも市職員と来庁者の往来はあります。他市で市役所に通うときに買い物を禁止しているとか聞いたことはないですから、往来による平日需要の規模はしれていて、中心市街地は活性化できなかった、ということです。

何故でしょう?

副市長はこう言われました。

副市長「市職員のうち北地区、南地区に通う職員は約60人、美浜以西から通う職員は約40人。この合計100名が徒歩、自転車で中心市街地を通行する。往復で200人/日の単純増加になる。」

副市長「市庁舎来庁者は年間17万人、一日あたり600~650人。その中には歩いて来庁する人もいる。」

副市長「この徒歩や自転車で市役所に来る市職員、来庁者により、特に平日の消費需要増加の効果や投資効果が期待できる」

もっともらしいですが、そうなっていないのが他市。ここのところを敦賀市のことを想像しながら書いてみます。

例えば北地区や南地区から徒歩や自転車で市役所に通勤したり、手続き関係で来庁したとしましょう。

この人たちは、日頃どこで買い物しているでしょうか?

おそらく近所のお店やスーパーマーケットなどで買い物しているでしょう。この人たちが徒歩や自転車で商店街を往来したとして、商店街におけるこの人たちの一人当たりの消費需要は増えません。ひとりひとりの「財布の大きさ」が変わらないのだから、ひと月に買う肉や野菜の量が変わるわけではないからです。

ただ、一つ可能性があるとすれば、北地区、南地区から徒歩、自転車で通勤する職員に対し、商店街での買い物を増やすことを強制することです。萬象に市役所が来たばっかりに、それまでより肉や服を多めに買わなければならなくなる職員の方には同情するしかありません。

私は質問で「歩行者通行量は、観光客や人口増の評価には意味がある」と言いました。これは「財布の数」を増やすということには意味があるということです。これには消費需要の増加は期待できます。分かりやすいのが今の駅前商店街です。ホテルが3つ増えたことにより、需要が増え飲食店も増えました。こういうのが「通行量が増えた→需要が増えた」ということです。

さて、副市長は、こうも言われました。

副市長「第6次総合計画の敦賀駅周辺の賑わいの成果指標は歩行者・自転車通行量だ。基準年度の平成26年が2,471人、目標年度の平成32年が3,150人。すなわち5年で679人増やすことになっている。だから市職員200人+来庁者17万人分の通行量の単純増加は中心市街地の活性化に寄与する」

これは非常に困った答弁です。

なぜなら、まず、この3,150人という成果指標は『休日』の数字だからです(答弁の中で副市長は『休日の数字ですが』とは言ってくれませんでしたが)。さて、なぜ休日の数字が成果指標なのかというと、これは主に観光客の増加を意図しているからだと思います(あるいは市内でも中心市街地の外からの集客も入るかもしれません)。

先ほど「歩行者通行量は、観光客や人口増の評価には意味がある」と私が質問で言った、と書きました。よそから来る観光客を増やすことによって、「財布の数」を増やすことには意味があるから総合計画の成果目標になるんです。

この「財布の数を増やす」ことの意味が分かっていないから、「北地区や南地区からの通勤者や来庁者が通行すれば消費需要が増える」ということが、通勤者や来庁者に「財布の大きさを変えてくれ」と要求しているんだということに気がつかないんだと思います。

(さらに言えば、「市役所は平日の需要喚起」と言われていたのに、ここでは「休日」の話と混ざってしまいました。)

これと同じことが次の答弁にも言えます。

副市長「平成25年の資源エネルギー庁の調査では『原発の定期検査作業員の日常の消費効果が失われた』ということが分かっている。そこで平日の消費需要をいかに生み出すかが課題であり、だからB案である。」

定期検査作業員は人口減、つまり「財布の数」が減ったということ。

この人口減による「財布の数」が減ったことを補うといっても、いくら商店街を歩こうが、市役所職員や来庁者の財布の大きさは変わらないので平日の消費需要は変わりません。

あと、こういう答弁もありました。

副市長「B案市役所は平日の消費需要増、景観まちづくり刷新事業は休日の消費需要増、よって相乗効果、補完効果がある。」

これも「B案市役所で平日の消費需要増」にならなさそうな時点で相乗効果も補完効果もありません。。

ということで、まとめ。

「近隣地域住民を想定する場合、B案市役所に徒歩、自転車で往復してもその地域の消費需要は変わらない。」

さて、今回の答弁は、よく調べていただいて、いろんな数字が出てきて、一見本当に根拠、理由になっているように見えます。でもちょっと考えれば、数字の取り上げ方も不適切なものがあるし(総合計画の成果指標)、おかしなストーリーになっていることは分かると思います。あるいは分かっていて答弁されているのかもしれません。

おそらく私がヒアリングで「根拠とか理由とか、B案市役所で中心市街地が活性化するというストーリーを示してほしい」と伝えたから、頑張って作っていただいたんだと思います。

でも使う数字の意味はよく考えてほしい。ストーリーは、例えば実際の職員の方の顔を思い浮かべ、その人の一週間の行動を想像しながら考えてほしい。木曜日に自転車で帰るときに、お米を買って帰ったところで(平日の消費需要が増えたぞ!)、日曜日に買わなくて済んだだけの話で、お米の消費量が増えるわけないんだから(商店街の売り上げは変わらないぞ!)。

説明のために数字を拾ってきて、話を作りました、では突っ込まれるとどうしようもなくなります。

そもそもB案市役所で中心市街地が活性化するのが自然なストーリーなら、こんなに苦労する必要もないのに。

最後に今回の私の一般質問を「日刊県民福井」さんが取り上げてくれました。そこで私が「市街地の商店街の衰退などは避けられず、難しい」と発言したとなっていますが、一般質問を見ていた方は分かると思いますが、私は「市役所移転では中心市街地の活性化は難しい」と言っただけです。念のため。

今回、市庁舎建設地問題は、公共施設の管理の話と中心市街地の活性化の話がごちゃごちゃになっています。公共施設の管理の話はこれはこれで、中心市街地の活性化の話はこれはこれで、やっていく必要がありますよね。

では。

 

 

 

 

 

 

 

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