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人事異動で思い出したこと

 周りに的確なアドバイス、助言をしてくれる人がいると有難いものです。

 時には、耳が痛かったり、素直に言うことが聞けないこともあります。しかし、周りの言うことに耳を貸さず、せっかくアドバイスしてくれる人を避けるようになると、やがて助言してくれる人も居なくなり、本人も気づかない孤立が待っているかもしれません。

 

 私が会社員時代に、非常に「いいところ」を突いて助言してくれる人が居ました。

 ここではAさんと呼びます。Aさん(関西人)は私より3つほど年上の人ですが、中途入社ということもあって、一応、私の部下でした。年上で知識も素晴らしかったので私は部下とは思っていませんでしたが。

 Aさんは、飄々としていて、真面目な雰囲気もなく、仕事中も結構ぷらぷらしている人なんですが、ごくたまに、さらっとアドバイスしてくる。雑談の間にアドバイスを入れてくるんですが、それも計算していたんだと思います。

 

 で、そのAさんにさらっと言われたこと。

 「米ちゃん、人を動かしたら問題が解決すると思ってるやろ。悪いクセやで。」

 ここで「人を動かす」というのは、なんか上手くいっていない時に、チームの中で、体制や役割分担を変えることを言っています。

 そういう場面で、私は実際に人を動かしてしまっていました。「この人にこっち行ってもらって、この人にこの仕事してもらったら、今よりも上手くいくし、自分もやりやすいやろ」という感じです。そして新しい体制がスタートした時には、もう問題が半分以上解決した気になっていました。

 きっと、Aさんは私に

「少し長いレンジで見て、チームの総合力を考える、という視点を入れると、少し違う対応があるんじゃないの」、

「体制や人が変わったからって、イコール問題解決やないんやで」

と言いたかったんではないかな、と思います。

 それを嫌な感じなく、しかしはっきりと言えたAさんは、ちょっと達人の域にありました。他の人に言われたら、「じゃあどうしたらいいんですか」と腹も立ったかもしれません。

 

 4月になり市役所も大規模な人事異動がありました。

 適材適所ということも必要だし、課題に応じて部署編成や人の配置が変わってくるのは当然です。

 一方で、体制を変えたから、また人が変わったから問題が解決したような気になってはいけないというのも、心に留めておきたいことかなと思います。

 組織改編や人事異動があろうがなかろうが、「どういう課題設定をして」、「どういう方法で取り組むのか」、が大事なことだと思います。

 でも、とにかく、この体制で今後どのような成果が上がってくるのか楽しみな気持ちが強い、というのが私の正直な気持ちです。また、Aさんにチクリと言われてしまうかもしれませんが、組織改正とか人事異動の後はどうしても期待しますよね。これがAさんが言うところの私の「悪いクセ」なんでしょう。

 

 ついでにAさんからもらった印象的なアドバイスをもう一つ。

 今でもはっきり覚えていますが、京都駅のホームにて。

 「米ちゃん、議論に勝っても、仕事が進むわけちゃうで。逆に遅れる時もあるしなあ。」

 ごもっとも。

 社内研修の「ビジネスディベート研修」の最後にあったディベート対決で圧勝した後のドヤ顔の私に、こういうことを言うんですよ、Aさんは。

 「仕事の本番であんなんしたらあかんで。」

 とかニヤニヤしながら言うてきて、ほんまにやらしいわ。ありがたいけど。

 

 今、Aさんに

 「でもね、Aさん、議会って議論せなあかんのですよ。勝ち負けはどうでもいいんやけど、仕事は進んでもらわな困るし、どういう方法が一番いいんかな?」

て聞いたらどんなアドバイスをくれるでしょうか?

 

 

 ・・・「適当でええんちゃうの」って言いそうや、あの人は。

 

では。

 

 

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