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コロナウィルス対策の経済的支援 第4回

 「コロナウィルス対策の経済的支援」の第4回です。

 今回は敦賀市の支援策として私の考えを書きます。

 所詮、私がブログに書いても絵空事です。こういう考え方もあるのね、ぐらいで受けとめていただければありがたいです。

 また、今回は超長くなりますが、一気に載せます。「個人、世帯向け」と「事業者向け」は1パッケージだと思っているからです。

 あと、実は、今から書くことは大体4月の半ばから4月24日ごろにメモしていたことをもとにしています。今日(5月6日)時点で古くさくなっていることもありますが、あえてそのまま書きます。

 前置きはここまで。

 順番は、1.今回の支援の大前提の確認、2.どういう方針(ねらい)にするか、3.具体的な支援(私案)、です。

 

1.今回の支援の大前提の確認

 今回のコロナウィルスで私たちが受ける経済的損失に対して100%、行政から補償されることはありません。

 自然災害でも私的財産の損失に対して公的な補償は100%されることはありません。これは地震や水害といった大災害のたびに出てくる話ですが、阪神・淡路大震災より前は「私有財産自己責任の原則」で、政府は原則的には個人補償はしない立場でした。自然災害といえど、私的経済のダメージを回復するために公的保障の役割が大きくなりすぎると、事前の保険加入も含めた個人(会社も含む)の災害対策や事後の自己努力の意欲を削ぐモラルハザードが発生することも懸念されます。

 しかし、阪神・淡路大震災以降、災害時などに政府や自治体が公共インフラの復旧以外に、個人に対しても本格的に公的支出するようになりました。損失補償というよりも、生活基盤を支えることが社会全体に必要なことだいう認識に変わってきたのだと思います。

 今回のコロナウィルス対策の経済的支援も、個人や世帯や会社の単なる損失補償ではなく、社会の安定維持という意識を持ちたい、と私は思っています(ただし休業要請の影響分は考慮すべき)。

 

2.どういう方針(ねらい)にするか

 私だったら・・・次の5つの方針で支援策をつくります。

方針1:コロナウィルス感染拡大を防ぐアクションをうながすことを目的とする。

方針2:市内経済を支え、倒産、失業、生活破綻を防ぐことを目的とする。

方針3:追加の危機対応を考慮する。

 説明を。追加の危機対応とは、一つは「コロナウィルス感染の長期化」です。4月の半ば時点で、コロナウィルスがいつ終息するか、いつ緊急事態宣言が終結するか、私には全く見当がつきませんでした。また、地震や台風災害、豪雪だっていつ来るか分からない。財政的に対応の余力は残しておきたい。

方針4:できることと、できないことは明確にする。その理由も説明する。

方針5:スピード、スピード、スピード!

 

3.具体的な支援(私案)

(1)個人、世帯向け

 国が協力金、感謝金のような形で国民全員に一律に10万円を給付しました。個々人の経済状態も属性(職業、年齢などなど)も関係なく給付されたことになります。広く浅く給付されたイメージです。これが下支えになることを前提として、市としては特定のグループに理由をはっきりさせて「個人、世帯向け」に支援を設計したいです。そこで、大きく3つのターゲット。

①子ども生活応援金

②高齢者生活応援金

③障がい者生活応援金

 これらの意味合いは「感染拡大防止への協力金」です。子どもは学校が休業になっても、保護者が休みをとったり昼食を用意しなくては家にいることができず、保育所や解放されている学校や児童クラブに預けざるを得ません。

 高齢者や障がい者の方も施設やサービスの利用による感染の可能性もあります。もちろん、それらの施設やサービスが感染防止対策に努力されていることは承知していますが、接触を避けるのが一番の感染防止策です。で、高齢者や障がい者の方が在宅するにも、介護や付き添いをする家族が仕事を休んだり減らしたりする必要があるかもしれません。

 すなわち、これら①、②、③は方針1の「コロナウィルス感染拡大を防ぐアクション」としてステイホームを促進することへの協力金となります。

 また、①については、ひとり親家庭には加算が有ってもよいと思います。

 以上のように考えると、他市町でも「子ども、高齢者、障がい者」に特別な給付がされている理由もよく分かります。美浜町が高齢者向けに自宅への配食サービスを拡大したのが一番分かりやすい。他県では子ども向けの昼食を場所を決めてデリバリーしている市もあります。

 私は4月の早い時期に、保育所、小学校、中学校では各家庭にアンケートをとって休業中の子どもの過ごし方について調査し、4月末の補正予算に反映させるべきだったと思っています。敦賀市では「子どもテイクアウト」、他市でも子ども向けの昼食支援がありますが、調査でどのようなニーズがあるのかを押さえておいて、支援の方法(事業者支援なのか、チケット配付なのか、デリバリーを取り入れるのか、などなど)を考えてもよかったと思います。

 次に、

④生活支援資金(給付もしくは貸付)

です。気になっているのが、もともと政府がやろうとしていた「条件付きで1世帯30万円給付」の方がより多い金額が給付されたであろう世帯のこと。「条件付き・・・」というだけあって、かなりの収入減の世帯などが対象となるので、「一律1人10万円」との差額を給付してカバーしてもよいのではないか、ということも考えられます。

 さて、いよいよ本当に生活資金に困ったときに、社会福祉協議会では「緊急小口資金」や「総合支援資金」の特例貸付を行っています。ただし、「緊急小口資金」は10万円までで、さらに追加で資金が必要な場合が不安です。そこで社会福祉協議会の「緊急小口資金」と同様な貸付を、市の予算で実施することを考えてもよいと思います。

 給付にしても貸付にしても④は方針2の「生活破綻を防ぐ」ためです。

 とにかく、生活が経済的に破綻する家庭や個人が出ないようにセーフティネット的な経済支援を優先したいというのが私の考えです。

 余談ですが、敦賀市のホームページの「新型コロナウイルス感染症関連情報」には、この社会福祉協議会の「緊急小口資金」や「総合支援資金」の紹介が「事業者向け」のページにあって分かりにくい。「敦賀市の支援」の項目に移した方が目に入りやすいと思う(この資金は敦賀市の支援ではないが、ここしかない)。

 

 さて、特定のターゲットに対し、理由を明確にしながら支援を決めていくと、支援から漏れる人が出てきます。が、国の特別給付金10万円がある中で、市も「一律〇万円」というのはよほど大きい金額でない限り、意味づけが難しいです。ここは国と地方自治体の役割分担と考えたいと思います。

 考え方はそれぞれあるでしょうが、県内で個人向けに一律〇万円という形で給付(現金もしくは券)するのは坂井市と若狭町、おおい町です。ご紹介まで。

 

(2)事業者向け

 さて、次は「事業者向け」です。ここは方針2の「市内経済を支え、倒産、失業、生活破綻を防ぐこと」と方針5の「スピード」を重視します。

 そしてポイントは「事業継続、そのための固定費支援で国、県の金額とスピードの上乗せ」です。

 まず、背景を説明しますと・・・、

 前に企業、事業者支援のポイントは「固定費への支援」と書きました。もちろん国や県には固定費への支援メニューが有ります。しかし、どう考えても支給までに時間がかかる!手続きが結構難しそう!金額は本当に足りるのか?

 ということで、4月7日の緊急事態宣言後、私があるといいと考えていた支援は、

①市からの無利子無担保融資(賃料充当を想定):条件、要件なし、4月中振込み、家賃充当を想定した金額。もし国が家賃補助を給付したら差額は市に即返還。

②市からの雇用補助:休業手当が国+市で100%になるように国の補助だけでは不足する差額部分を補助。ただし、4月分は全額貸付し、国の補助が入り次第、その分を市に返還。

③助成金申請等手数料補助金:国、県の助成金の手続きを行う際の社会保険労務士への報酬を支払う事業者を補助。

 ①、②ともコロナウィルス感染が長引いたら5月分、6月分と延長することになるでしょう。

 この事業者向け①、②、③を考えていたのは4月20~24日の週。で、ただ今現在の5月6日になると少し状況が変わってきました。まず①の家賃補助は相当部分を国がやってくれそうです。②の雇用補助についても、国の雇用調整助成金が、どんどん拡充されました。主な変更でも、助成率が引き上げられたし、生産指標は5%減で受給されるし、全従業員はもちろん新入社員もパートもアルバイトも対象となった。さらに県の補助も入るようになって、うまくすれば助成率100%だし、事業主や役員も対象になった。

 ただし、国、県の支援策で足りないもの。まずはスピード。売り上げがないのに、月末には給料も賃料も払わなくてはなりません。だけど申請先の労働局やハローワークが大混雑らしいし、どのみち支給は4月中はまあ無理だった(なんとか6月?)。

 なので、①、②では市がササっと貸付して固定費に充てられる流動資金を確保してもらおう、というやり方を取りたかった。

 次に国、県の支援で足りないものは、雇用調整助成金の上限が高くない(1日分が8,830円)ということです。ここに市が上乗せする支援を「②のプラスアルファ」として考えてもよい。

 ここにこだわるのは、ここを助成すれば、ダイレクトに社員、パート、アルバイトの所得補償になるからです。これで事業支援=市民生活支援、というわけです。ここも国が上限アップを考えているという報道もあるので、少し様子をみてもよいかも。

 そして足りないことの3つめは手続きのやりやすさ。私には難しい。正直、申請できる自信がない。

 なので、支援策③の「助成金申請等手数料補助金」。これで社労士さんへの相談を促進する=多くの事業者が助成金を有効に活用できるようにすることを狙います。

 また余談ですが、「申請手続きの難しさは何とかならんもんか」と私が考えていたのが、厚労省の雇用調整助成金の拡充発表(4月25日)をみたころ。そして、4月27日には鯖江市が「雇用調整助成金申請等手数料補助金(社労士さん費用を出す事業者さんへの補助)」を発表したのです。この時は「補助金までは思いつかんかったなあ。よう分かっとるなあ。」と感心したものです。

 とにかく事業者の皆さん、補助金や給付金は絶対にフル活用しましょう。

 さて、次に

④県経営安定資金の利子補給期間拡充、各種融資の利子補給

 いろいろ補助を考えてみましたが、実際には、事業者の皆さんは現時点で数百万円あるいは数千万円の融資を受けていたりします。県の経営安定資金の融資以外にも日本政策金融公庫や商工中金、信用保証協会、民間金融機関でもコロナ感染症対策の支援メニューがあります。例えば福井県の経営安定化資金については敦賀市は3年間利子補給していますが、あわら市や美浜町は期間を延長しています。他の融資も併せて、利子補給を適用する補助になります。

 

 さて、事業者向け支援の①~④でカバーしていないのは「売上補償」です。ここは国と県である程度押さえている、という前提で考えています。

 これに加えて敦賀市で現在実施している「テイクアウト・デリバリーサービス等参入補助金」は良い事業だと思います。

 

 さて、長文にお付き合いいただき有難うございました。

 正直、現在の敦賀市の経済的支援策は規模も内容も、私から見て意外なものでした。それを横目で見ながら、この1か月はコロナウィルスへの感染拡大策や経済的支援策のことが頭から離れませんでした。このブログのシリーズはここ1か月ほど考えていたことを吐き出している感じです。が、所詮、絵にかいた餅です。

 それぞれの案に金額を入れていません。私には市役所の人たちが使える基本データがありませんから、確信をもって細かい金額をはじけないのが歯がゆいところです。大体の概算はしていますが、お示しすることは止めておきます。

 また、市役所の政策立案のエキスパート達との議論も、もちろんできていませんので、とんちんかんなことを書いているかもしれません。ここのところ外出も自粛でしたので、ひとりシンクタンクで頑張ってみたということでご容赦ください。

 

 次回は、コロナウィルス対策の経済的支援策について財政面から考えてみたいと思います。

 では!

 

 

 

 

 

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