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「敦賀・黒河小児童は3人きょうだい当たり前」から話を広げてみる(第4回)

 さて、シリーズ4回めです。

 今回のトピックスは「保育園のはなし」です。

 「子育て環境日本一」をキャッチフレーズにする敦賀市の保育園の状況を見てみましょう。

 

(1)私の実体験

 保育園については、まず私自身の実体験のご紹介から。

 私は平成19年(2007年)に大阪から敦賀にUターン、引っ越ししてきました。娘も息子も保育園児。ということで、引っ越しの何か月前か忘れましたが、家から一番近い黒河保育園入園の申し込みのため、市役所に行くと・・・

職員さん「定員があって、入れないこともあります。第二希望、第三希望の保育園も決めてください。」

 はっきり覚えていないんですけど、申し込みに行った時期とかタイミングも有ったのかもしれないのですが、「黒河保育園への入園は、無理です」というニュアンスで大ショックだった記憶があります。

私「でも、あの地区は家も建ってきてて子どもの数は増えるんじゃないですか?定員を増やす計画とかはないんですか?」

職員さん「今後、その地域の園児数は増えるとは予測されていないんです。定員を増やす計画は有りません。新築開園してから10年も経ってませんし。」

私「いや、あそこら辺、絶対子ども増えると思いますよ。(・・・大阪でも一番近い保育園にふつーに入れたのに・・・)」

 念のために書いておくと、職員さんはすごく申し訳なさそうに、親切に対応していただきました。あの時の職員さんも心苦しかっただろう。

 

 さて、この後どうなったかというと、

・地元から保育園定員増の声が強まる

   ↓

・補正予算がついて増築工事に入る

   ↓

・娘も息子も無事、黒河保育園に入園

 

 保育園の入園申し込みに市役所に行ってから、保育園が増築するまで1年もかからなかったと記憶しています。

 

(2)黒河保育園の定員と入園者のうつりかわり

 プライベートなことはさておき、下の表は、平成14年(2002年)から平成31年(2019年)の黒河保育園の定員と入園者数の推移です。

 平成19年に定員が増えた(60人→80人)のは、上に書いたように増築によるもの。

 で、平成25年(2013年)にまた定員が増えた(80人→100人)のは確か政府の「待機児童解消加速化プラン」で利用定員の超過を認めたから。

 20年間で定員が40人増えている。で、これで十分かというとそうではない。

 なぜ十分ではないかというと、私も市議時代に「黒河保育園に子どもをいれることができない」と毎年のように相談されたからです。

 もし、平成19年(2007年)に黒河保育園の増築がなかったら、もっと状況は悪かったでしょう。定員を20名増やした翌年からずっと定員をオーバーしている。ということは、「増築して、定員増やして良かったね」ということです。ざっくり計算で延べ300人以上の子どもとその家庭に恩恵があったことになりますし、これからもしばらくはこの状況が続きます。地元の保育園なら送迎しやすいし、そのまま小学校に上がれば小学校に入ったときの安心感もあります。

 そして最近では「未満児保育の増加」にも対応が必要になってきています。

 

(3)敦賀市の保育園の定員問題

 相談を受けていたのは私だけではなかったようで、市議会でも、複数の議員が保育園の定員問題を取り上げてきました。

 最近でも、中野史生議員が黒河保育園を中心に、市内の保育園の定員問題について質問していて、平成31年第2回定例会と令和2年第4回定例会の2度も短期間に取り上げています。

 山本貴美子議員も令和元年第7回定例会で保育園の定員問題を質問しています。答弁では「きょうだいで別の保育園に通っている世帯が市内で36世帯(令和元年11月現在)」ということが明らかにされています。

 このように、ここ数年で保育園の定員問題は3回も取り上げられています。

 確かに、数字上、敦賀市内には待機児童はいない。ゼロです。しかし、入園が無理そうだから諦めたり、きょうだいで別々の保育園に通ったりする家庭は少なくないということは、みんな分かっている。これが敦賀市の待機児童ゼロの実態です。

 

(4)年少人口の減少とコストパフォーマンス

 解決策のひとつは平成19年の黒河保育園のように「増築」することです。

 しかし、この「既存保育園の増築」について、最近の敦賀市の議会での答弁は「敦賀市公共施設等総合管理計画との整合性を図りまして、また、保護者からの保育ニーズや今後の人口動態等を考慮しながら個別施設計画の立案を行っていきたい」ということです。

 確かに中長期的にはどの地区でも年少人口が減ります。しかし、そのような環境の中であっても、「公共施設等総合管理計画」との整合を図らずに、ここ数年で建てた市の施設は億単位でいくらでも有ります。さらに同じように年少人口の減少が気になるはずの児童クラブは2億円ほどかけて2施設、新たに建設しているので筋も通りません。

 ここで質問。

問)平成19年の黒河保育園の増築の工事予算額はいくらだったでしょう?

答)約1,100万円。

 これで、定員を20人増やせたのです。年少人口は減少傾向だから、中長期的には全市的に保育園も定員割れしていくのは分かっています。だけど、入園者増加へのピーク対応や未満児保育の増加への対応ということを考えると、コストパフォーマンスは悪くないと私は思っています。

 

(5)誰のための「子育て環境日本一」?

 さて、ある人に「敦賀市の保育園の定員問題はどうにかならないものか。」と意見を聞いたことがあります。

 その時のご返答は「市の財政も厳しいのに施設と人員に予算を回せない。」

 で、よせばいいのに私は「平成19年の黒河保育園の増築費用は約1,100万円だった。今、他に数億単位のいろいろな施設を建てていることを思えば、少ない予算で多くの人が助かるのではないか。」と、つい質問を重ねてしまった。

 お答えは、

「定員に満たない保育園があるんだから、そちらに行けばいいじゃないですか。みんな車を持っているんだから、車で送り迎えはできるでしょ。」

 「この人はこういう考え方なんだー」とがっかりした記憶があります(口調も冷たかった)。でも、こういう考え方だと「子育て環境」は良くならないですよね。

 逆に、例えば黒河地区で3人きょうだい、4人きょうだいが多いのだったら「子育て環境」面でサポートしたい、と思うのが人情。そして、行政がサポートする姿勢を示せれば、安心して子どもを持てる、という好循環が全市的にも期待できます。

(「黒河保育園が慢性的に定員オーバーしていても、きょうだいが多いんだったら、出生数と保育園定員は相関関係も因果関係もないじゃん」という意見はあるかもしれないけど、問題はそこじゃない。シンプルに「子育て環境」を良くしましょう、という話。)

 

 最初に紹介したように、今、敦賀市は「子育て環境日本一」をキャッチフレーズにしています。

 しかし、私は、

「これは誰のための、何のためのキャッチフレーズなんだろう?」

と疑問に思っています。敦賀市の行政にはいくつかキャッチフレーズが有ります。どんなに素晴らしいキャッチフレーズでも、本当に心がこめられたものか?市民のためのものか?中身はあるのか?

 

 一方で、現場で誠実に頑張っている保育士さんや職員の方の気持ちはちゃんと私たちに伝わります。私も、2人の子どもを保育園に安心して預けられたことを思い出します。「子育て環境日本一」というキャッチフレーズがあろうとなかろうと、現場の頑張りは何も変わらないはずです。

 

 本当の意味で、子どものため、保護者のため、地域のため、現場の保育士さん、市職員さんのための行政であってほしい、そうしなければならない、と私は思っています。

 

 

 

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