9月の補正予算にあげられた「子育て生活応援事業」について書きます。
6回シリーズの予定です。
あー、また長くなってしまう!
「日記みたいなブログ書いてください」って言われているのにー!
さて、まずは、わたし的結論。
「とにかくスジが悪すぎる」
では、いってみよう!
1.最初に、「子育て生活応援事業」はどんな事業なの?
まとめてみると・・・、
・狙いは「子育てに関する経済的負担を軽減し、安心して出産、育児ができる環境を確立する」。
・中身は「0歳児に月5万円分、1歳児に月3万円分、2歳児に月2万円分のマイナポイントを給付する」。「マイナポイント」であることは大事な論点)
・例えば、0歳~2歳まで全部の給付を受け取ると120万円になります。
・今年度は12月スタートで4カ月で1億3009万円、来年度以降は年間で6億6117万円を支出することになります。3年間を目途に実施するということなので19億8351万円。さらに3年目以降も継続して支給が続く子どもが2年間はいるということでトータルで24億円を超える事業です。
「子育てを応援してもらえるんだ」、「これで出生数は増えるんじゃない」という声もあるでしょうけど、どうなんでしょうか?
2.今、敦賀市の出生数って・・・
まずは現状確認です。
以前ブログにも書いたように、敦賀市の出生数はここ数年で急速に減少しています。
が、今年度はもっと「大ピンチ」です。
2022年4月~7月の4か月間で敦賀市の出生数は120人。ということは、年換算すると1年間に360人。出生数は月ごとのバラツキが少ないので、1年たつと大体これくらいの数字になると思います。
2021年の470人から100人以上減る可能性が出てきています。計算通り360人だと昨年度からは23.4%減です。
2021年に470人になって「持ち直した」みたいな話が有りましたが、甘かった。
「コロナで全国的に出生数は減少しているから仕方ないやん」という声もあるかもしれません。福井県全体のデータを見てみましょう。
2022年4月~7月の4か月間で福井県の出生数は1,570人。年換算すると4,710人で、昨年度(5,204人)からは9.5%の減少です。
敦賀市23.4%減(予想)
福井県全体9.5%減(予想)
さて、これはどうして?
残念ながら、おそらく敦賀市はこの原因を本当には分かっていません。9月議会でも福井県の調査データを使って答弁していました(あのデータを使う意味も分からんが)。たぶん敦賀市は自分で調べていない。
ついでに言うと私も分かっていません。いろいろ調査したいけど、一市民がアクセスできるデータも限られますし、私の手に余ります。
しかし、市行政なら(ある程度は)できるはずです。少なくともこんな大きな事業をやるなら(=たくさんの税金を使うなら)、ちゃんとした根拠をもっていたい。
でも、やっていない。
ということで、結局、敦賀市の急激な出生数の減少の原因もいまだに明確ではないんです。(どっかに明確なデータとか分析とか有ったら持ってきてくれ!いや、取りに行くから教えてください。)
原因も分かっていないのに、「出生数を増やすため」に、この「子育て生活応援事業」は効果があるんでしょうか?
さて次は、来年度以降に年間で6億6117万円、トータルで24億円超を支出する「子育て生活応援事業」が本当に「出生数を増やすのか」を見ていきましょう。
(つづく)
【追記】敦賀市の出生数について
一般質問3日目の山本武志議員の質問の時の市長答弁で、
「第1子応援手当を作りましたので、(敦賀市の出生数が)少し増えているところはありますけれどもコロナ禍の中で全国的には(出生数が)下がっていますが、福井県はそんなに下がっていないと思いますが、敦賀市も下がっていない、というところまでは来ています。・・・どうやったら出生数を増やすことができるんだろう、ということを常々考えています。その中で毎月、これくらい生まれるかな、とかこういうふうに亡くなったな、とか出ていく人、入ってくる人を見ているわけですけれども・・・。」
というのが有りました。
私はこの発言に納得いってなくて。
毎月、人口動態をチェックしていたらこんな発言はしないはずなんです。
実際は上に書いたように、今年度に入って出生数は激減しています。昨年度比で年換算の予想をすると、福井県全体9.5%減(予想)の4,710人に対し、敦賀市23.4%減(予想)の360人です。
これが実態なのに、「福井県は下がっていないが、敦賀市も下がっていない」などと言うのは、今年度の出生数を毎月毎月、見ていない証拠です。おそらく、昨年度までのデータを「1年間に何人」と押さえているだけでしょう。
なのに、なんで「毎月見ている」なんて言うんだろう?
もう一つ。
「第1子出産応援手当」の効果はどこにいったのでしょう?
この手当は2020年に始まったので、実質的に効果が出るのは2021年からですが、2020年から2021年の出生数は、「敦賀市の人口動態」では13人増、「県の推計人口」では6人増です。そして、2022年はおそらく超激減(100人近くの減?)です。
「第1子出産応援手当」は第1子の出産に対し10万円を支給するもので、現金給付の一種ですが、出生数の推移をみると、効果が有ったとは言いにくいのが現状です。
今回の「子育て生活応援事業」のような一種の「現金給付」の効果が小さいということを、敦賀市自ら示しつつあるのかもしれません。あるいはじわじわ効果が出るかもしれませんから、もう少し様子を見る必要があります。
「現金給付」の効果については次回に。
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