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敦賀市の人口減少(第6回 最終回)

 今から5年前の平成27年(2017年)4月に、ある国政政治家が次のように発言しています。

 さて、誰の発言でしょう?

「地方創生は国民運動だ。東京一極集中を変えなければならない。理由は3つある。ひとつめは人口減少対策だ。東京の出生率は47都道府県で最低だ。東京に若い人が集まることで人口減少が加速してしまう。二つめは災害だ。東京圏では30年以内に70%以上の確率で大地震が起こる。三つめはパンデミック。集積が高い東京でパンデミックが起きれば捕捉が難しくダメージが大きい。

 5年前に新型コロナウィルスのような感染症とその影響をあたかも予見し、それを地方創生に結び付ける発言。考えている人はちゃんと考えているんですね。

 発言者が誰かの答えは最後に。

 

 このように「地方への人口シフト=東京一極集中の緩和」は日本の大命題です。地方創生だけの問題でもないし、地方における地域間競争でもない。

 敦賀市も含めて地方は、都市部、特に東京圏から人口を移動させる大きな流れを信じて、その受け皿になる発想が大事。

 さて、では敦賀市は何をすればいいと思います?

 だいたい、どこの市町も「人口減少対策」って同じような施策が並んでいるんです。「企業誘致」、「住宅補助」、「子育て支援」、「交流人口増加」・・・。それはもちろん、やるべきことであって、私も選挙のチラシに書きました。その中には自分の頭で考えたオリジナル的なものもあります。それはまた個別に紹介させていただきます。

 そういうオーソドックスな施策を充実させることも重要です。加えて、今回の「敦賀市の人口減少対策シリーズ」最終回にあたって、別の観点からの考え方を3つ、示ししたいと思います。

 その3つとは、

①「潜在的な移住希望者」の立場で敦賀市を見てみる。

②敦賀市に住むことのメリットを明確にする。

③県の施策との相乗効果を高める。

 ①、②、③は、前から思っていたことで、①と②は平成28年の市議会一般質問で、③は平成27年の一般質問で訴えたことです。率直に言うと、①、②、③について敦賀市は弱かった、今でも弱い、と思う。

 そもそも①は、ちょっと前まで敦賀市は移住に重心をおいていなかったので仕方がないといえば仕方がない。

 前にも書いたように最近は「移住にも力を入れていきます」というスタンスになってきました。ただ、まだ弱い。

 想像していただきたいのですが、「自分が今は東京に住んでいて、敦賀市への移住を考えている人」になってみていただいて、その目線で敦賀市のことを調べてみてください。そして、比較として越前市、鯖江市を調べてみてください。どこの広報活動が「ウチのまちに一緒に住まない?」という気持ちが伝わるでしょうか?どこの広報活動が、欲しい情報がちゃんとあるでしょうか?

 →敦賀市の「KURAS TSURUGA」

 →越前市移住定住ブック「越前市暮らし」

 →移住定住パンフレット「えちぜん市暮らし」 

 →越前市定住促進ポータルサイト「住もっさ!越前市」

 →鯖江市体験移住事業「ゆるい移住」 

 

 ②については、私が敦賀市に住むメリットとして強調すべきだと考えるのは、3つ。1つめは「可処分所得」。2つめは「可処分時間」。3つめは「敦賀市だからこそ可能なライフスタイル」。

 敦賀市のサイト「つるが移住定住サポートサイトKURAS TSURUGA」でこういうメリットが伝わっているか。移住者の雰囲気は伝わっていると思います。が、まだまだ取り上げるべき敦賀市の良いところ(可能なライフスタイル)はあると思うし、「移住ごころ」をくすぐるようなデータやライフスタイル例を示してほしい。「KURAS TSURUGA」は数字(データやランキングの順位)は結構使っているんですが、数字の羅列になっていてメリットがストーリーになっていない。

 では、福井県の取り組みも見てみてください。

 →ふるさと福井移住定住促進総合サイト「ふくい移住ナビ」

 →福井県 移住関連ガイドブック 一覧

 →ふくい暮らしライフデザイン設計書

 ご覧のとおり、こういうことのアピールは、県が取り組みを充実させていて、私が思っているような移住のメリットが分かるようなパンフレットの「福井県版」が出そろいつつあります。敦賀市版を作ってほしいなあ。県は女性用のパンフとか高校生向けのパンフも作っています。

 ここで敦賀市版を作らなくとも、福井県版をうまく使おうとしているならまだいいのですが、残念なことに敦賀市の「つるが移住定住サポートサイトKURAS TSURUGA」から福井県の「ふるさと福井移住定住促進総合サイト ふくい移住ナビ」へのリンクがないので、せっかく県が提供する情報にたどり着くのが難しい(一応、たどっていくと市のHPに戻って関連リンクとして表示はされている。でも、あそこから県のサイトに飛ぶのは困難)。

 

 ということで③です。ここまで見てきたとおり県との連動感がない。少し前までは県と市で政策的な整合性もあやしかった。

 今、県が勢いよく移住・定住政策を進めています。6月1日に「福井と京都をつなぐ『移住促進チーム』チーム員募集」が敦賀市のホームページに載りました。これは一例ですが、もっと相乗効果を出してほしい。

 

 人口減少対策は地方自治体の総合力を試されます。市長も「全政策分野を挙げて取り組む」と言われています。

 今後、その取り組みのベースとして押さえておかなければいけないと思う①、②、③をお示しして最終回にしました。(実際の産業政策や、子育て支援などは個別の政策論として今後、私の考えを紹介していくことにします。)

 

 前回のアップから少し時間が空きました。6月6日に福井新聞に敦賀市の人口減少の記事が掲載されたのを読んで、現在の市の認識と、私の考えていることにはやはり大きなギャップがあると感じ、ブログの内容もどうしたものかと少し試行錯誤してしまいました。あの記事を読んだせいか、今回も厳しめの書き方になってしまったのも否めないです。また新聞記事について思うところを書く機会があるかもしれませんが、今回はここまでにします。

 

 さて、冒頭の発言をした政治家ですが・・・、答えは、

       小泉進次郎 環境大臣・衆議院議員

です。この発言を聞いた時にはあまり気に留めなかったのですが、振り返ってみると「すごいなぁ」と素直に思います。

 今、いろいろと言われている小泉大臣ですが、冒頭に紹介した5年も前の発言の問題意識に私は全面的に賛成です。

 

 ではまた次回!

 

 

 

 

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