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敦賀市の人口減少(第3回 人口の社会減(つづき))

 桜の美しいこの頃ですが、福井県内でも新型コロナウィルスの感染が拡大してきました。敦賀市でも小中学校の休業が延長になりましたし、わたし達の生活や経済にも影響が大きくなってきています。

 このような事態にあたって、私が希望するのは専門家の奮起です。医師や感染症学者だけではなく、統計学者やIT関係者、さらには広報活動やコミュニケーションの専門家。今の政府の行動に信頼を付与するのに必要なことだと思いますが、少し見えにくい。

 とにかく一日でも早い収束を。

 

 さて、前回からの続きで「人口の社会減」についてです。

 敦賀市は、こう言っています。

「本市の社会移動は+83人で改善度合は県下トップの水準⇒一定の施策効果を発揮」(原文ママ)

 県下トップという自己評価です。

 市はこういうデータを示しています。

 社会減の数について、「平成24~26年の3年間」(A)と「平成27年~平成29年の3年間」(B)で、「B-A」の差異を県内市町で比較したものです。

 この表から「本市の社会移動の改善度合は県下トップの水準」と言っているわけです。確かに差異(改善人数)は一番多いです。

 

 しかし・・・、私がこの表をパッと見て思ったこと。

「差異でランク付けして県下トップって、この自己評価でいいのかな?」

 

 さて、上の表に少し項目を増やした下の表をどうぞ。

ちょっと詳しく見たらわかること、があります。

 

・「改善した」という平成27~29年でも社会減ワースト1は敦賀市のまま。(表中の赤丸数字の部分。)

・改善率でみてみると、敦賀市は5位である。(表中の青丸数字の部分。)

 改善率の1~4位までは敦賀市より人口が少ない市町ばかり。差異の人数だけで比較したら敦賀市が有利に決まっています。

 ましてや比較しているのは、東日本大震災後の平成24年~平成26年の3年間との対比です。平成24~26年は原子力関係者の市外流出が一番激しかった時で、その影響は敦賀市が最も大きかった。その時期との比較だから、原子力関係者の市外流出が縮小したら改善人数(差異)は他市町よりも多くなるでしょう。

 これで

「本市の社会移動は+84人で改善度合は県下トップの水準⇒一定の施策効果を発揮」

という自己評価を持つことは良いことなのでしょうか?

 しかも、これが施策の効果だというデータは明確に示されていません。

 資料には「産業団地の企業誘致による新規雇用が184人」と書いてありますが、これが市外からの転入増と市外への転出抑制にどれだけ寄与したかは書かれていない。恐らく「新規雇用が生まれたのだから人口に対して効果がないはずはない」というとこら辺で止まっているのではないか、と思います。

 「敦賀市立看護大学、福井大学の学生数300人達成」としていますが、転出入の状況や居住地を考慮して5年前と比較しないと「効果」がどれくらいか分かりません。(4月5日付の福井新聞の特集記事でも「福井大学の学生に対する家賃補助は利用は少ない」と書いてありました。)

 

 ということで、前回と今回の結論(私の意見)です。

結論①敦賀市の人口の社会減少は原子力関係者の動向が主な変動要因である。

結論②敦賀市の施策の効果を示す明確なデータは示されていない。

結論③人口の社会減の改善度合において、敦賀市が県下トップとは言えない。

 

 シンプルに言えば、人口の社会減少対策で、

市は「施策の効果があった」とアピールすることにこだわり過ぎでは?

 

 こだわるべきなのは、そういうことじゃなくて、素直な現状認識と危機感を市民や市職員、市議会で共有することであって、その方が本当に市がやりたいことの推進力になると私は思っています。

 

 さて、危機感を持つべきは「社会減少」だけではありません。

 次回は、この5年間で急激にトレンドが変わった「人口の自然減少」についてです。

 

(今回、ちょっと厳しい言い方のところもありますが、愛情表現です。もっと力が発揮できるはず。期待をこめて。)

 

 

 

 

 

 

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