この3月議会では、当初予算に盛り込まれた「移住定住促進事業費」について質問した議員が3人いらっしゃいました。
この事業の中には4月から福井大学の敦賀キャンパスに通学するために、敦賀に住んで住民票を移してくる3~4年生にアパートなどの家賃補助をするという予算が入っています。
で、3人の議員は皆、「どうして敦賀市立看護大学の学生には家賃補助が出ないのか」という趣旨で質問をしたわけです。
これについては、予算委員会の2月27日の予算委員会で「福大生のみ」という答弁があってから、私も「それでいいのかな」と考えつつ、他の議員はOKの人が多いかなと思っていました。
ところが、会派も全然違う3人の議員が「どうして敦賀市立看護大学の学生には家賃補助が出ないのか」と一般質問されたのを聞いて、「私だけじゃなかったんだ」と少し驚きました。
答弁は主に
「福井大学の3,4年生は1,2年の時は福井市に生活拠点があり、3,4年で敦賀市に引っ越してきてもらうには家賃補助が効果的。敦賀市に住んでもらえれば、敦賀市に愛着もわくし、原子力安全コースの学生だから敦賀市で原子力関係の仕事に就いてもらえれば、定住促進、人口減少対策になる」、
「敦賀市立看護大生は、もともと敦賀市に住むことを前提に受験、入学してきているので、家賃補助しなくても敦賀市に住む」
というような話でした。
さて、福井市にある家族があって、子どもが二人、としましょう。
上の子が福井大学原子力安全コース在籍で4月から3年生。
下の子が今、高3。将来看護師志望で、4月から敦賀市立看護大学生。
2人とも3月までは生活拠点は福井市で、4月から敦賀市のキャンパスに通学。
福井大学生には家賃補助が出ます。だから敦賀にアパート借りよかな。
敦賀市立看護大学生には家賃補助が出ません。だから敦賀に・・・。
この事業のポイントは「効果」と「公平性」だと思います。
「公平性」を考えたら敦賀市立看護大学生にも家賃補助を出さないと筋が通らない、と思います。例えば先ほどの福井市の家族の親が市役所に相談に来たら、どうやって説明しましょうか?
次に「効果」について。
前にも書いたかもしれませんが、私が学生の時には、企業が出す奨学金の募集が結構な数でありました。これは「うちの会社に入社前提の方、奨学金を受けられますよ。そして、うちの会社に入社して一定期間以上勤めたら、奨学金は返還しなくてもいいですよ。但し一定期間勤めなかったら奨学金は返還してもらいます。」という制度です。
今、敦賀市が導入する家賃補助は、将来敦賀市に住まなくても返還義務などありません。定住へのモチベーションがそれほど大きくない。
本当に大学卒業後の将来に敦賀市に住んでもらうのであれば、ゆるめの定住要件を付けておくのはどうでしょうか。少しはモチベーションが上がるのではないでしょうか。
また、「敦賀市立看護大学生にまで家賃補助したら、予算が膨張してしまう」ということにも、将来敦賀に住まなかったら返金してもらえば、タイムラグは出ますが出て行くお金の膨張には歯止めがかかると思います。
今回の福井大学3,4年生への家賃補助は、これはこれで良いとして、「公平性(特に看護敦賀市立大学生に対して)」と「効果(本当に敦賀定住へのモチベーションを上げてもらう)」の観点から、今後、制度を見直すことも考えては、と思っています。
はじめたばかりの制度だし、多少の試行錯誤はあってもいい事業だと思っています。
では。
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