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フランクリン自伝をななめ読み

 読みたい本が溜まっています。

 人に勧められた本もあるし、自分で購入した勉強のための本も積んだままになっています。少しずつ読んではいるのですが、上手くまとまった時間を取ることができず、読書の効率も上がらない。

 なのに、そういう時に限って昔読んだ本を読みたくなり、わざわざ本棚を探し漁って読んでしまいます。

 他に読まないといけない本があるのに・・・・、我慢できずに一昨日から再再読しはじめたのが「フランクリン自伝(岩波文庫)」です。最初に読んだのは多分、高校の時で、学校の図書館で借りて読んだような記憶があります。今、自宅の本棚にあったのが2005年発刊の第65刷なので、多分十年ほど前に急にまた読みたくなって買ったのでしょうが、その時のことは、読んだこと自体あまり覚えていません。

 さて、今回読みたくなったのは、この本に「会計」の大切さが書いてあったような気がして、そのエピソードを確認したかったからです。

 で、読み返してみますと(ななめ読みですが)、

「印刷業を営んでいたフランクリンが、ある職人に印刷機を与えて他州で印刷所を経営をさせた。その職人は会計のことが全く分からず、決算書を送ってきたこともなかった。その職人が亡くなり、その死後、未亡人が印刷所を引き継いだが、彼女は会計の知識があり、四半期ごとに几帳面に正確に会計報告をフランクリンに送ってきた。商売も上手くいって、その未亡人はフランクリンから印刷所を買い取り、自分の息子に継がせるまでになった。」

というものです。そしてフランクリンは、

「会計の知識があれば、・・・利益のある商売を営むこともでき、けっきょくいつまでも一家の利益、繁昌のもとになるのである。」

と書いています。(この未亡人が、はじめから夫の印刷所の帳簿をつけておけよ!と再再読で初めてつっこみました。)

 日本語の「会計」は、英語の「account(アカウント)」、

 日本語の「説明責任」は、英語の「accountability(アカウンタビリティ)」であり、

 account(会計)→accountability(説明責任)、という言葉の繋がりが「会計」の本質をよく表している、というのもしばしば紹介されることです。フランクリン自伝の中のエピソードは「会計は何のためにあるのか」を思い出させてくれます。

 ということで、今は公会計や地方財政や予算や決算のことを勉強中です。サラリーマン時代に多少勉強したことは、あまり役に立たないし、独特の用語があって覚えなければいけないし、結構面倒くさい。

 でも、こんな言い方が良いかどうかわかりませんが、この分野は「本当に面白い」。私としては好きな分野です。そして行政ではとても重要な分野だということも分かっています。

 早く人並みに議論ができるよう、受験生のように勉強しますよ!

 ところで、「フランクリン自伝」はとても面白いです。再再読でも。

・フランクリンが赤裸々に自分のことを書いている。(本当によくここまで書くなあ、というレベル)

・建国前後のアメリカ人の気質がよく分かる。

・アメリカの民主主義のベースが理解できる。

 ただし、岩波文庫は文章(翻訳)が硬い。私が持っている版は、今どきの本と比べると活字も小さくて細く読みにくい。岩波クラシックスのシリーズにもあるので、そちらの方が印刷は読みやすいかも。

 とにかく、お勧めですよ。

では。

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