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ハネムーン?

 アメリカでは、新大統領が就任すると100日間は、メディアも野党も新大統領に対する批判や断定的な評価を避ける紳士協定のようなものが雰囲気としてあって、その100日間を「ハネムーン(蜜月)」と呼ぶそうです。

 やっぱり新大統領も安定飛行に入るまで多少の時間がかかるのは当たり前ですし、ハネムーンはいい知恵だと思います。

 

 さて、敦賀市では?

 新聞報道でも「渕上市政船出 試練も」(福井新聞)と見出しがでたり、7月6日には予算決算委員会で予算組み替え動議が可決されたりと、敦賀市の場合、新リーダーに対して「ハネムーン」がなかったように思われた市民の方が多いんではないでしょうか。

 ところが、最初は確かに「ハネムーン」の雰囲気は市議会にも有ったように思います。議員の中でも「最初の議会は穏やかに行きたいね」という会話が確かにあったのです。

 ですが、新市長との「ハネムーン」は6月17日に終わってしまったような気がします。

 6月17日、議員説明会で、「鉄道・運輸機構建設所移転先」と「幼稚園保育料金引き上げ見送り」について理事者(市側)の説明がありました。この説明が、私にもどうにも腑に落ちない。時系列で事実関係を並べると不自然。仮にその時系列を受け入れたとしても、それは通常、市役所としてとるべきプロセスとは異なる手法だと思いました。

 この17日の説明会で短いハネムーンが終りました。納得できなかったのは私だけではなかったと思います。

 今回のブログでは、組み替え動議のことで聞かれることもあるので、「幼稚園保育料問題」について書きたいと思います。

 この問題は議員泣かせで、

「『料金引き上げ見送りで保護者が喜ぶことを議員がストップかけるとは何事か!せっかく市長がいいことしようとしているのに!』と言われるから質問したくないよなあ、この問題。」

と本気とも冗談ともつかない会話が議会前に交わされたほど。でも皆さんやはり質問していました。なぜならやっぱりこの問題はおかしいから。

 最初に明確にしておくと、要望書が出されたこと、及びその内容は問題ないと私は思っています。

 問題なのは要望書が提出された後、市側(あるいは市長)がとったプロセスです。議会でもありましたが、

「6月3日に要望書が出て、訴訟の動きも何もないのに、6月11日に弁護士に相談したら『裁判したら負けます』と言われたので、予算を修正した。修正したものを6月15日には歳入減額補正の予算案を議員の手元に配布した」という説明は、通常の行政プロセスからするとあり得ない。とにかく「不自然」なのです。

 要望書が出たら、まず要望書を出された方との面談や話し合い、さらには実態調査(敦賀市立の幼稚園2園のうちもう一方の幼稚園ではどうなのか、とか、実際に選択肢がなくて困った家庭がどれくらいあったのか、とか)ですとか、普通ならやるはずのことを一切やっていない。

 それはなぜか、と質問すると、とにかく当初の説明では

弁護士から訴訟リスクを指摘されたから、行政として最悪のことを想定して直ぐに歳入減額に踏み切った

ということでした。確かにこう言わないと、話し合いとか調査をしていないことの説明がつかないのでしょう。しかし、弁護士に言われたからといって直ぐに予算措置するのも本当に不自然。弁護士から文書ももらっていないし、セカンドオピニオンもとっていない。

 仮にこの不自然なストーリーを受け入れたとしても、6月29日の本会議の次のやりとりでの市長答弁で直ぐに辻褄が合わなくなります。

議員「弁護士に言われたからといって、すぐに補正予算化は通常やることではない」

市長「裁判をするからどうかというのは考慮の中にそんなに大きなウェイトを占めているわけではなくて、弁護士さんに相談してきたというのは後で聞いておりますけれども、弁護士さんの判断がどうだからどうしようこうしようということではなくて、やはり十分な保護者の皆様に理解が得られなかった、・・・ということを勘案して判断した。」(ここで本会議ストップしてもおかしくなかった。)

 弁護士きっかけなのか、そうじゃないのか、どっちなんだ?

 これだけ大きくぶれるのは、なぜ?

 市長答弁と理事者説明がなぜこんなに食い違うの?

(たぶん市長が質疑中に『弁護士きっかけだと論拠が薄弱』と思い、その場しのぎでとっさに変えてしまった結果、理事者説明と食い違ったのだと思う。)

 

 さて、福井新聞ではこの問題について「議決の重みが分かっていない」と議員が言っていると書いてあり、そこを重視する議員も確かにいらっしゃいます。

 しかし、私が納得していないのは、「議決の重み」ではなくて、

・理事者説明と市長答弁が大事なポイントで全く違うこと。

・理事者説明が正しいとすると、行政の進め方として疑問があること。

・市長答弁が正しいとすると、これも行政の進め方として疑問がある上に、議員に対しては最初に正しくない説明をさせたこと。

 

 私としては、行政の進め方としては、要望書を受け取った後、少なくとも保護者説明会をしなくてはいけないし、それでも今年度の値上げを受け入れてもらえないときに初めて減額補正を検討すべきだった、あるいはこれからでもやるべきだと思います。補正予算は9月でも間に合ったはずです。

 やはり29日の本会議で「9月議会でも間に合った」と指摘された渕上市長は、

「9月だと来年の料金周知に間に合わない」

というような趣旨の答弁をされました。この答弁も間違っていて、来年度(平成28年度)の料金はもう決まっているので、すぐにでも公表できるのです。

 

 もうあまり細かい指摘はしません。上の議論も細かいこと言うなよ、という方がいらっしゃるかもしれませんが、私は今回の問題の不自然さは、渕上市政においてかなり本質的なものだと思っています。だから私はこの問題を見ないふりをしてやり過ごすことはしません。

 

 ハネムーンは短かったですが、終わらせたのは議会側でないことはご理解いただきたいと思います。私は今後もいいことはいい、悪いことは悪いと是々非々の態度で臨むだけです。

 まだ任期は始まったばかり。上手くリカバリーしていただくことを祈ってやみません。これからの敦賀のために。

 今回は、書いてはみたものの掲載するかどうか少々迷いました。どうして迷ったのかは自分でもよく分かりませんが、まだハネムーン気分でいたかったのかもしれません。

では。

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