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コロナウィルス対策の経済的支援 第2回

 ここ数日、福井県内からは新たなコロナウィルス感染者は発生していませんね。ただ、まだ東京都などでは感染者の増加が止まっていません。油断しないようにしたいですね。

 

 さて、「コロナウィルス対策の経済的支援」と題して第2回です。前回は、県内各市町の支援策を紹介しましたし、経済的支援の意義について私の意見を紹介させていただきました。異論がある方もいらっしゃるでしょうけど、もうしばらくお付き合いください。

 

 コロナウィルスの感染拡大に伴って、国、県、そして敦賀市の支援策が打ち出されています。下の表に国、福井県、敦賀市の経済的な支援について、主なものを簡単にまとめました。 

 まず私の思いの結論めいたことを言うと、

「困っている敦賀市民に対し、国と県の支援でカバーできていないところ、厚みの足りないところを目がけて、市は支援を設計すべきだ。」

 

 なので敦賀市の支援策を見る前に、国と県の支援策を押さえておきましょう。

1.国の支援策

 最初に国の支援策です。国の支援策の狙いは分かりやすい、と私は思っています。

 (1)事業者への支援

 まず事業者に対して。考え方は「事業継続の危機の回避。固定費(人件費、+家賃)のカバー」です。

 本当に事業継続が危ぶまれる事業者(売上50%以上減)に「持続化給付金」。

 次に雇用の維持のために、「雇用調整助成金、緊急雇用安定助成金」。

 これに今、与野党ともに国会で提案しているのは、賃料支援(事業者への家賃補助や支払い猶予措置)です。

 これらの国の支援策から推測すると、国は、

事業継続を優先し、本当に困っている事業者に運転資金(現金)を入れる。さらに固定費(人件費、家賃)を補助する。

という方針です。

 私は企業、事業者支援のポイントは固定費への支援だと考えています。固定費は売り上げゼロでも発生する経費だからです。

 (ただし、「持続化給付金」はもう少し早く給付できないものか。また、「雇用調整助成金」は、要件が複雑で手続きが煩雑、助成金の上限もあるし、給付にも時間がかかりそう。要件、金額、時期について、私は厚労省のホームページをいくら読んでも理解できませんでした。これから社労士さんは大忙しだと思います。狙いは分かりますが、改善してほしいことも多々ある。)

 

(2)個人への支援

 次に、国から個人への支援です。

 「特別定額給付金」で「一律ひとり10万円」が給付されます。

 当初は「収入が減少した世帯に30万円」で閣議決定までされていたのですが、4月17日の首相の記者会見で「一律ひとり10万円」への変更が表明されました。

 当初、一律給付(「一律ひとり10万円」)には政府内で反対が多かったそうです。

 2009年のリーマンショックの時に緊急経済対策として「定額給付金」が給付されました(一人12,000円。18歳以下と65歳以上は20,000円、総額2兆円)。「ばらまき」、「国民への買収」、「経済効果が薄い」という猛烈な批判の中、実施されたのですが、実際に消費に回ったのが25%程度だったそうです。景気対策としては確かに効果が薄かった。当時首相だった麻生財務大臣は4月1日の参院決算委員会で「何に使ったか誰も覚えていない。(国民に)受けなかった。二度と同じ失敗はしたくない。」と答弁されました。

 が、しかし。結局「一律ひとり10万円」へ方針転換しました。方針転換の経緯には批判がありますが、「一律ひとり10万円」自体にはあまり批判が出ていないようです。

 これは、

・海外諸国で大規模な現金給付がされていることがニュースで紹介されたこと。

・世論調査でも現金給付への支持が高かったこと。=一定数の国民が納得している、要望している。

・公明党も野党も一律給付を提案していたこと。

が背景にあったのだと思います。

 本質的には、リーマンショックの時の現金給付と、コロナ対策の現金給付は目的と性質が全然違うということが大きいと思います。リーマンショックの時は「景気対策」の一つでした。一方でコロナ対策としては「生活の下支え」です。「一時的なベーシックインカム」と解釈する人もいます。

 安倍首相は、会見で「一律ひとり10万円」の狙いを「景気対策」とはひとことも言いませんでした。

 首相は、「国民の皆様と共に乗り越えていく。その思いで、全国全ての国民の皆様を対象に、一律に1人当たり10万円の給付を行うことを決断いたしました。」と述べて、「緊急事態宣言」に様々なかたちで協力している国民への感謝金、見舞金の意味合いを持たせています。(しかもこの言い方だったら、今回のコロナ対応限定の施策ということになる。普通の(?)経済悪化の時には定額給付金はやらない、ということだと勝手に想像。)

 これらが相まって、バラマキ批判があまりないのでしょう。私も今回の特別定額給付金はバラマキとは言えないと考えています。

 ちょっと話がそれますが、危惧されることが2点。

 まず、財源です。当初の「収入が減少した世帯に30万円」だったら総額3兆7500億円でした。

 変更後の「一律ひとり10万円」だと総額12兆8800億円です。今年度の当初予算の税収は63.5兆円ですから、今回の特別定額給付金は税収の約20%に相当します(実際には財源は全て国債です。この給付金が決まって日銀が国債購入の上限を撤廃しました)。

 もう一つの気になる点は、「この特別定額給付金だけで、コロナウィルスの影響で本当に困っている人をカバーしきれているか」ということです。

 ここに地方自治体、特に市や町といった基礎自治体が果たす役割があると、私は思っています。

 

2.県の支援策

 次に県の経済的な支援策です。長くなりましたが、もう少しお付き合いください。

 まず福井県がまとめたパンフレットをご紹介します。

→事業者・県民の皆様への支援制度のご案内

 国と県の支援策が、分かりやすくまとめられているスグレモノです。何が国の支援で、何が福井県の支援かもはっきり書いてあるのも、県が自分の施策に責任を持っていることを感じます。

 福井県の経済支援策はほぼ企業、事業者支援です。これは休業要請をしているのが福井県の判断だからだと思います。県の休業要請に協力したことが原因で、企業が破綻したり倒産したりということは県としては何としても防ぎたい。その責任において企業や事業者への支援に集中しているということでしょう。

 

 次回は、各市町の支援策を見ながら、敦賀市の支援のあり方を考えてみたいと思います。

 では、また次回!

 

 

 

 

 

 

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