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もんじゅ

12月13日、12月議会の原子力発電所特別委員会があり、「もんじゅ」のことが議論されました。新聞にも載っていたようなので、こちらにも書いておきます。

 

偶然、12月13日は福井県議会でも原発・防災対策特別委員会があり、敦賀市議会と同様に「もんじゅ」のことが議論されたようです。

テレビや新聞を見ていますと、県議会でも市議会でも議員側が言っていることは、ほとんど同じです。勿論、事前に打ち合わせているわけではありません。県議会の特別委員会は一部テレビでもその様子が放映されていましたが、敦賀市議会よりももっと厳しい言い方をしているような気がしました。

さて、私が特別委員会で言いたかったことをまとめますと、

1.9月と12月で政府に対する敦賀市の立ち位置が変わっていませんか?それにどう対応しますか?

これは、9月の段階では政府は「もんじゅの存廃は地元と十分相談する」と言い地元は「相談相手」のはずだったのに、12月の今では「地元には十分説明し理解していただく」というように、まるで「決まったことを説明しなければいけない相手」になってしまったように見える、ということです。

このように政府に対する敦賀市の立ち位置が変わったように思える中、説明される立場であり続けるつもりなのか、それとも相談の中に加わりたいのか?その意思表示はしてもいいのではないでしょうか。

 

さて、もう一つは、

2.敦賀市としてどうするのか?どうしたいのか?

少し説明します。

11月25日に県内の原発立地4市町と青森県の下北半島4市町の首長(市長と町長)が合同で国に対して要請活動を行いました。下北半島には使用済み核燃料の再処理工場などがあり、核燃料サイクル政策に関係が深い市町です。

この件については、12月の議会でも「青森県の4市町と連携することで、力が大きくなり、立地地域の強い思いを伝えられた」というような答弁がありました。

この合同要請の要請文には、「もんじゅ」のことは書いてないそうです。あくまで「核燃料サイクルの推進、国民理解の促進、国の政策決定や変更についての地元への説明」を求めたものです。

この要請の敦賀市の論法としては、

「核燃料サイクルを維持してください。そしてその時には『もんじゅ』は必要ですよね!」

だから、青森4市町と核燃料サイクル堅持を訴えることは意義がある、ということです。

私は、青森4市町と連携し、核燃料サイクル堅持を要請したことについては、良いことだと思っています。よくぞ、やっていただいた、と思っています。

但し、ここで、私としては疑問に思うことがあって、

・国の高速炉開発会議などでは既存の小規模実験炉「常陽(茨城県)」やフランスの実験炉「アストリッド」を使えば、もんじゅを再稼働しなくても大丈夫、との話が出てきている。

・今回の要請は「核燃料サイクルの堅持を主張するものの、もんじゅに触れていない」

・そうすると国は「核燃料サイクルは堅持します。でも『もんじゅ』は廃炉です。『常陽』と『アストリッド』があるから。」ということもあり得る。これでも福井県4市町+青森県4市町の要請に応えたことになる。

というところです。

「声は大きくなったかもしれないけど、敦賀市の言いたいことはちゃんと言えてるの?」というのが私の聞きたかったところ。

あともう一つ。敦賀市として何をポイントに置いているのか、どこにゴールを置いているのか、少し分かりにくい。

敦賀市議会の市側の答弁ではよく雇用の話が出ていました。例えば、「もんじゅでは協力会社も含め約1000人が働いている。もし廃炉になったら雇用維持は国の責任」という答弁がありました。

とすると、もし廃炉になった時に「廃炉ビジネスと新研究施設(例えばの話)で1000人の雇用は確保します。」という答えが国から帰ってきたとき、「雇用が減らないのなら廃炉にしてもいいですよ」となるのか。

あるいは、これは敦賀市からは言わないでしょうけれど、「歳入が減るじゃないか」と敦賀市から訴えたときに、つまり

「固定資産税(2億円の減、ただし地方交付税交付金で約75%補填されるので実質5000万円の減)と三法交付金(3000万円の減)」

で合わせて8千万円ほど歳入が減少することについても、

「それなら固定資産税は研究施設の資産扱いでそのまま課税してもいいですよ」

というふうな措置によって歳入が減らないよ、となった場合は、「歳入が減らないのなら廃炉にしてもいいですよ」となるのか。

敦賀市は、政府がどういう答えを出すことを想定しながら、核燃料サイクルや雇用の問題などを政府に投げかけているのか?また、答えによってはどう言い返すのか?これが私には分からない。

 

私は、敦賀市にとって、「もんじゅの問題はもんじゅだけの問題ではない」と思っています。

敦賀市は、日本で初めての商業用軽水炉である日本原電の敦賀1号機に始まり、敦賀2号機、ふげん、そして、もんじゅを受け入れる中で、原子力分野の技術と人材を地域として蓄積してきました。

また、原子力発電と付き合う50年の歴史の中で、日本全国で最も原子力利用に対して理解の深い市民感情が培われてきました(勿論100%ではありませんが)。

しかし、今、敦賀市立地の発電所はどうなっているか。

敦賀発電所1号機は廃炉が決まり、

敦賀発電所2号機は破砕帯の問題で再稼働への道筋に不透明感があり、

敦賀発電所3,4号機は平成28年と29年には運転を開始しているはずだったのが、工事着工まで数か月の時点で工事はストップしています。

そして、今回のもんじゅの問題です。

私は、敦賀市としては、今回のことは、単にもんじゅのみの問題としては扱わず、「原子力利用に最も貢献し、最も理解が深く、そして震災後の原子力政策の不透明さに最も影響を受けている町」として、そういうことをひっくるめてトータルで政府に意見すべきだと思います。

ざっくばらんに言うと、「敦1は廃炉、敦2はストップしたまま、敦3,4は工事着工できていない、もんじゅは今回の話。国のエネルギー政策に協力してきて、住民理解があり、人材蓄積がある敦賀市の原子力を、さあどうするんだ!」ということです。このほうが敦賀市としてのポイントやゴールが自ずと見えてくるのではないでしょうか。

「核燃料サイクル」という話に一般化してしまうと、敦賀市の立場が分かりにくい。だから敦賀市の事情に特化した話の持っていき方のほうが、私はいいと思います。

 

次に政府の対応について。

もう一度繰り返しますが、敦賀市は原子力発電に対する理解の深さは全国随一だと思います。

政府は一定の割合で原子力発電を維持していくのなら、どうしてそういう敦賀市を大事にしないのか。

政府には「敦賀市を大事にできないようでは、『放射性廃棄物の地層処分地』など原子力施設を受け入れるところなど出てこない」と言いたい。

「原子力施設に理解を示して受け入れても、いざとなったらこういう扱いなのね」というふうに見ている自治体関係者もいるかもしれません。

 

さて、明日19日には「もんじゅ」に関し何らかの発表があるでしょう。それに対し敦賀市がどう対応するのか、注目されます。

 

今回も長めになってしまいました。申し訳ありません。最後まで読んでいただいた方、本当にありがとうございます。

では。

 

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